生産量日本一!茨城メロンで皆がハッピーに
メロン作り35年・酒井さん

取材:2018年5月  放送:2018年5月
 高級なイメージのあるメロン。ですが、実はそんなに構えなくてもいい。「子どもからお年寄りまで幅広く食べてもらって、美味しかった!とニコニコ笑顔が広がるのが一番」。そんなメロンの親しみやすさを教えてくれたのは、酒井孝明さん(59)。茨城県鉾田市旭地区(旧旭村)で35年間、メロン栽培に勤しむ農家です。
 

お天道様にはかなわない

 温暖な気候で、首都圏の台所と言われるほど、海の幸や山の幸が豊かな茨城県。水菜やレンコンなど、 生産量が全国トップを誇る野菜が多い中、実はメロンの生産量も「 19 年連続日本一」なんです。酒井さんのメロンへの想いとは
 
 「手間をかけた分だけ、いいものができる。それがおいしさの評価につながることが魅力です」。
 メロンは、種をまいてから実になるまで半年かかります。温度や湿度に敏感なため、寒い日はメロンにシートをかけて保温し、暑くなったらビニールハウスの窓を開けて風を通す。それを奥行き約90メートルのビニールハウスで、天気の変化によっては一日のうちに度々行うことも。そんな日々の地道な 作業を、春から夏にかけて1シーズンで4種類、約3万5千個ものメロンに対して行っています。

 酒井さんにとってメロン栽培は、「生き物を育てる覚悟と、収穫時の喜び」が背中合わせにあると言います。「育てている半年間は無収入になります。ですから品質のいいものを作って、単価を高く」できるようにと営んで35年。「何年やっているかではなく、何回作ったか。毎年、何種類ものメロンを作りますが、この時期の暑さ寒さの中で育てるのは年に一回。ですから、まだ35回しか作っていないということです。メロンは生き物。やはり、お天道様にはかなわないです」。飾らない言葉の一つひとつから、実直な人柄が伝わってきます。

顔が見えるメロンが楽しい


夕張メロンなどブランド力のある高級メロンに対して、茨城メロンは「『大衆メロン』として作っています」と酒井さん。一部のお金のある人たちだけが喜ぶものではなく、「皆に幅広く食べてもらえた方が嬉しい。食べて『おいしかった』と言われるのが一番です」。
地元の茨城県民は、この時期、一人で「半玉」「一玉」食べるのが普通なのだとか! 
それくらい身近に食べられる茨城のメロン。その上で、酒井さんは言います。
「糖度や品質の良さは、夕張に全く引けを取りません。だからすごくお買い得なんです」
 酒井さんが所属している JA茨城旭村メロン部会では出荷時、商品タグに QRコードをつけています。これがユニークで、スマートフォンをかざすと生産者の顔をはじめ、糖度や栽培歴などのデータが分かるのです。「顔を出すのは、品質に自信があるということ。それで安心して買ってもらえれば一番。おいしく食べてほしいという想いが通じれば嬉しいです」。スーパーで QRコード付きのメロンを見つけたら、ぜひお試しを! 丹精込めて育てられたメロン一つひとつの違う顔が見えて、お買い物が楽しくなります。
 
  
 
 
 〈記事〉桝郷春美(フリーランス・ライター)